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若いうちは田舎で生活して、歳をとったら都会に引っ越したい

若いうちは田舎で生活して、歳をとったら都会に引っ越したい

若いうちは田舎で生活して、歳をとったら都会に引っ越したい

 

「若いうちは都会で稼いで歳をとったら田舎で生活したい」という話をよく聞くが逆じゃないかと思う。あるいは逆にしても良いくらいの世の中になってきた。若いうちは田舎で生活して、歳をとったら都会で暮らすというのが今後のスタイルの一つになりそうだ

歳をとってからの田舎生活はろくなことがない

高齢者こそ都会の電車・バスが重要

歳をとったら田舎に行きたいというが、そんなの大変なだけでろくなことがない。車の運転は事故の元だから理性のある人間なら免許を返納するべきだ。車のない田舎なんて不便極まりないので、都会で電車とバスで生活するほうがマシだ。突然、脳卒中や心臓発作になっても公共交通であれば他の人が助けてくれる可能性が高いわけで、都市をとったら電車・バスを活用したほうがいい。

田舎は病院も不便

50, 60歳を過ぎてくれば誰しも持病の一つも患うものだし、病院にいくのに一苦労するようでは安心して暮らせない。よくある病ならまだましで、田舎の病院はマニアックな病気に疎かったり、処方が面倒くさい薬は出してくれなかったり不便なこともある(僕はまだ30代だが発達障害の薬(コンサータ)をどこも出してくれなくて、違う薬に変えざるを得なかった)。大学病院のような大きな病院がその地区に1件しかない(あるいは1件もない)こともよくあるし、都会のほうが選択肢が多いからセカンドオピニオンもできるし、病院に通う必要があるなら都会の方がいい。

一軒家も老人にはつらい

まず庭の手入れだけでも大変だ。草はどんなに狭い庭にも生える。草刈り機や除草剤などがあるとは言え面倒だ。

2階建てなら階段の上り下りも歳をとったら辛そうだ。重い荷物を持って階段をのぼるくらいならマンションでエレベータに乗ったほうがマシだ。

一軒家にはセキュリティ上の不安もある。オートロックや高さがないし警備員もいない。

歳をとったら賃貸マンションが一番だ。若いときこそ家を買えばいい。

 

成長した子供と2世帯住宅?そんなものはせいぜい平成初期くらいで終わった。老人はパートナーと二人暮らしか、一人暮らししかない。あるいはシェアハウスや老人ホームのような共同生活。親戚に頼ることができるのは贅沢で幸運なことだと思った方がいい。

若ければ田舎でも稼げる

テレワークが世界を変えた

若いうちに都会で稼ぐという時代も少し変わってきている。言わずもがなコロナの影響でテレワークが普及した。最近逆にテレワークを辞める不届きな会社が増えているらしいがそんな会社は何もわかってない。もはや終身雇用など無理だし従業員は少しでも待遇が良い会社に行く。帰属意識や飲みニケーションで従業員をつなぎとめるのはもう無理だ。会社は従業員にやめてほしくないなら、給与と福利厚生を手厚くするしかないだろう。

もう共働きが当たり前だし、仕事だけやってればいい人のほうが珍しくなってしまった。従業員はテレワークで仕事をしながら生活の時間も有効活用してくれればいい。それを仕事をサボっていると考えるのは間違っている。そもそも生活のために働いているのであって、仕事の優先順位はもう下がってきている。

できれば海外の仕事を田舎でやろう

ここまで円安になると日本の仕事を日本でやるというのもバカバカしくなってくる。能力と伝手があるなら海外から単価の良い仕事をとってきたほうが楽に稼げそうだ。

「そんなの実現できない」とすぐに諦める人は何も手にはいらないので、理想の生活スタイルを手に入れたいなら少しずつでも生活を変えていくべきだ。「お前の特殊なケースを話すな」というやつも黙れ。テレワークができる仕事なのであれば、受注先を海外にすることはなんとかなるはずだ。

海外から仕事が取れるなら都会にこだわる理由がまたひとつ減る。言い換えれば、都会だけが仕事に有りつける場所という時代はすでに終わっている。

あるいは日本の仕事を海外に流そう

日本はなんだかんだ言ってまだ裕福な国だ。もっと貧乏な国はたくさんある。そしてそういう国の若者たちは貪欲に海外の市場で活躍したがっている。少しTwitterやDiscordを開けば海外の若者たちとコミュニケーションを取ることができる。まぁSNSで仕事をするのはあまりおすすめしないが、なんとか伝手ができれば日本の仕事を海外に流して単価を抑えたことができるんじゃなかろうか。

「そんなの割に合わないよ」うるせぇ。長期的にやれ。短期で結果が出るほど楽じゃないのは覚悟しろ。一度で正解を当てようとするな。

田舎にすみたいだけの地方移住でもいいじゃないか

畑も寄り合いもいらない

地方移住の特集みたいなのをたまに雑誌で見るけど、やれ畑をつくっただの地域の祭りに参加しただの、そんな要素いらない。

畑なんて手間がかかるし近所トラブルになりがちだし、老人はマウント取ってくるし天候にも左右されるしろくなことがない。そもそも畑をやるほど野菜が好きじゃない。あなたがベジタリアンなら止めないが、マジョリティは肉にしか金を払わない。

寄り合いという名の謎の飲み会とか、町内会という怪しい団体とか、畑とか自給自足とか、そういうの全部いらない。今どき地方にもカフェくらいあるし、電気も光回線もある。都会と同じような暮らしを田舎でしたいだけで、それ以外はいらない。

朝起きて車で近所のカフェでモーニングを食べて、雑誌を読んで家に帰って仕事を始める。適当にランチを食べて夕方からスポーツジムでトレーニングして温泉に入って帰って寝る。それだけの生活をしたいのであって、関わりたくない人との人間関係は無くしたい。

移住者が多いエリアに引っ越そう

地元にUターンする場合はともかく、親戚や知り合いがいない地方に移住するのであれば、同じような境遇の移住者が多いエリアに引っ越そう。例えば新興住宅地とか別荘地とか、そういうよそ者のために用意されたエリアにすむのがいい。逆に地元の人ばかりが住んでいるようなエリアに引っ越してしまうと、どうしても話が合わないのでお互いうまく行かない。悪い例では、移住者にはゴミ捨て場を使わせてもらえないとか雑用だけやらされて仲間に入れてもらえないとか、よくきく話ではある。

移住者は移住者で固まっておいたほうがいい。どうせ地方に移住しても都会っぽさは求めたいもので、近所にコンビニとかカフェとかある程度欲しい。そういう意味でも新興住宅地のほうが便利だし、もっと人と関わりたくないなら別荘地に住めばいい。最近の別荘地はどこも過疎が進んでいて全然人がいない上に値段が安い。

若いうちに家を買って、歳をとったら賃貸にすむ

若いうちは家が広いほうが何かと便利だ。テレワークにも子育てにも部屋数は多いほうがいい。だが一軒家とかファミリーマンションとか意外と賃貸だと高くて、むしろ状態がそれなりによい中古物件を買ってローンを払う方が安いこともある。家を買うというのはメンテナンスを自分でやらなければならないということであって、これは結構体力と経済力がいる。

例えば電化製品の耐久年数は10年くらいなので、エコキュート(電気温水器)やエアコンの取り替えが10年に一度くらい発生して、これが台数にもよるけど100万円〜200万円くらいかかる。雨漏りし始めれば屋根の修理も同じくらいかかる(足場を組むとどうしても高くなる)。

こういう出費を老後のお金で賄うのはかなりしんどい。若いうち、働いているうちであればローンを組んだりするという手段も取れるが老後であればそれも難しい。

また、DIY (Do It Yourself) で直すという方法もある。DIYは個人的には慎重になったほうがいいと思っているが、もしやるとしても体が元気なうちでなければしんどいのは言うまでもない。意外と床の張替えくらいは素人でもできるもので、電気周りとか屋根とかはプロに頼んだほうがいいが、ある程度素人でもできるところは自力でやったほうが安い。田舎のホームセンターはだいたい巨大で品揃えも良いので見ているだけでも楽しいし、最近は工具のレンタルもあるので DIY を気楽にはじめられるようになってきている。

そもそも歳をとって家を買ったところで死んだら親戚にとっては無用の長物なわけで、若い頃に家を買って歳をとったら賃貸というのが良いように思う。

まとめ

若い頃のほうが体力も経済力もあり、広い家が必要な状況(テレワーク、子育てなど)にあるわけで、地方の不便さや陰鬱な人間関係にばかり目を向けるのではなくそれらを回避する方法を模索して生活したほうがいい。

そして歳をとって体が思うように動かなくなってきてから都会に行けばいい。

 

おわり。

 

書いた人: 馬場一樹